給食が必要か否か、投票してみたら?
★本日の言いたいこと★
「学校給食を続けるか否か」、
PTA総会で投票でもやってみたらどうだろう?
◎───────────────────────────
小学校や中学校に通う生徒の親の約1%が給食費を払わず、
なかには「払えるのに払わない親」が少なくない、とのことで、
マスコミでは議論沸騰である。
▼NIKKEI NET: 給食費未納は小中生の1%9万9000人
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070125STXKD033924012007.html
この報道に相当心を痛めている学生もいる。
▼きょうのできごと。:『環境』と『食』
http://blog.canpan.info/gaspard-lisa/archive/29
この問題に関連した発言をしているブログを見ると、
概ね、払わない親たちに対して非常に批判的であるが、
きょうは少し、この話題で頭の体操をするとしよう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「払わない親」たちに対してブロガーたちが批判的なのは、
この親たちがいろいろ屁理屈を言うからである。
「義務教育だから払いたくない」
「頼んだ覚えはない」
「給食を止められるものなら止めてみろ!」
とまで言う親がいるらしいから、開いた口がふさがらない。
▼給食費払わぬ親たち お金あっても「頼んだ覚えない」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/21476/
こういう行動をとる人々のことを
経済学では「フリーライダー(ただのり)」と呼んでいる。
例えば、話は違うけれども、
ほんとうはNHKの番組を楽しんでいるのに、
「自分は見ていない」といって受信料を支払わない人たちと、
論理的には同じである。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
通常のモノやサービスの場合、
誰かが消費してしまえば他の人は消費できない。
目の前にあるアンパンを私が食べてしまえば、
あなたは食べられない。
こういうのを「消費の排除性」という。
だが、NHKの番組は、誰かが見たからといって、
他の人が見られなくなるわけではない。
放送電波には「消費の排除性」がないのだ。
(「消費の排除性」のない財を、経済学では「公共財」と呼ぶ。)
つまり、「消費の排除性」のない財については、
「フリーライダー」が発生する、というわけだ。
それでは、給食には「消費の排除性」はないのか?
本来、パンや牛乳には「消費の排除性」があるはずだが、
親が給食費を払ったかどうかは別にして、
事実として、給食は児童・生徒全員分、用意されている。
つまり、全員食べられる、という意味において、
事実上、「消費の排除性」はないのだ。
だから、「フリーライダー」はどうしても出現する。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
NHKの受信料についても、
「フリーライダー」に悩むNHKは、不払いの人々に対して
罰則を持って対処しようとしている。
ただ、いろんな意見の中には、
「払わない人には見せなければよい」というものもあって、
WOWOWのようにスクランブルをかけて、
受信料を払った人だけ解除してあげればいいではないか、
という意見もあるようだ。
給食費はどうか。
給食費を払わない人には何か罰則を与える、という手もあるが、
給食費を払わない人の子どもには給食を食べさせない、
という手もある。これがいいかどうか、こいつはなかなか難しい。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
より根本的なことは、
人々が「給食」というサービスを欲しているかどうか、である。
私が大学の授業でテキストとして採用している
伊藤元重『ミクロ経済学(第2版)』日本評論社、には、
このような記述がある。(316ページより)
(利用者全員に対して料金を強制的に徴収するような方法では)、果たして社会がそのような公共財が供給されることを欲しているかどうかを判断することはできません。そのため強制的な料金の徴収を補完する方法として、投票などの方法を利用することがあります。例えば、ある都市で地下鉄を新設する計画があるとき、それを実行するかどうかを決定する方法として、住民投票で決めるという方法が考えられます。昔あるアメリカの大都市で、地下鉄建設をやめるか、それとも建設を実行する代わりに住民税が多少高くなることを受け入れるかということについて投票を行ったということを聞いたことがありますが、これなどは投票という決定方法に市場の代わりを任せた例です。
一度、「学校給食を続けるか否か」、
学校のPTA総会で投票でもやってみたらどうだろうか?
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